『営業は3年でやめなさい!』甲斐輝彦
世界最強営業マンが教える「最速」出世術という副題。
この本がどれくらい話題になった本なのかとかは全く情報がありません。
というのも、この本は森ノ宮キューズモールにある「まちライブラリー」で借りたものだからです。
なんとなく手に取った本ながら、良い本です!大当たり!
さて、この本は営業職の成長双六です。
しかし営業職だけではなく、すべてのビジネスパーソンにとって、いや、ビジネスをやってなくたって関係ない。この本のテーマは「不確実性の時代の中で最も確かなのは、人間の成長、自己の成長に賭けること」と言っているのだから、すべての成長したい、生き延びたいと思っている人にとって重要なことをかいています。
だから、この本、特に中学生、高校生、大学生に読ませてあげたい。
(「話し方の学校」の校長で炎の講演家の鴨頭嘉人さんが、「何にもないうちは一番の投資先は自分自身」と言ってました)
そういえば、ユダヤの人に頭脳明晰な人が多いのは、不安定な立場で、財産を作っても、いつ奪われるか分からなかったから、没収できない財産として、知恵や技能を磨いたからと言いますね。
不確実性の時代の中で最も確実なのは自分を磨くこと!それがこの本の著者が一番言いたかったことに違いありません。
さて、もう少し細かく読んでいきたいと思います。
一番面白いなと思ったのは、まえがきで、「売る対象に飽きる」「売るターゲット(顧客)に飽きる」ことがあるということをハッキリ言っているところですね。
営業職でどうやって出世するかという本なのに、この本では営業職がどう頭打ちするか、出世が難しいかをあちこちで書いてます。
たとえば「営業部長」について書いてるくだり。
営業部長は会社にそんなに何人もいない。
ではその同期はどこへ消えたか?
転職してどっかに消えた以外ないわけです。
仕事をしていて飽きるのも辛いし、出世競争に敗れるという問題もある。
著者は「営業は3年で成長曲線が水平になる」と断言します。
3年後には今年入った新人と同列になってしまう、ということです。
だから「本当に営業技術や能力を成長させたい」または「営業職で出世したい」のであれば、「3年で販売商品を変えるか会社を変えることが賢明」と。
そしてこの本のボリュームの中心をなしている考え方に入ります。
営業職の成長双六とでも言うものがここから開陳されます。先ほど書いたように、それは同時に人間としての成長でもあるところがこの本をして、ビジネス本の範疇を超えさせるすばらしい点です。
私は鍼灸師ですが、鍼灸師と言っても技術職として、技能だけ磨いていれば良いというものではありません。仕事の上でサービスと言うものを販売する技能なくして、鍼灸師を続けることは出来ません。売る力がとても大切です。
もし、利益を目的としない組織に所属していたとしても、営業的な側面が仕事のどこかに必ずあります。
たとえ事務職であったとしても、上司に自分の能力を売り込む力がなければ、出世はおぼつかないのです。(これについては私も経験から言えます)
組織における部下とは、上司という顧客にサービスを売る仕事なのです。
営業と言うのは、営業職だけに関わるものではないことが、ここから先読んでいくとどんどん理解できるようになってきます。
(つづく)
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