交通事故や脳卒中などで脳が損傷されると、記憶能力の障害、集中力や考える力の障害、行動の異常、言葉の障害が生じることがあります。これらの障害を『高次脳機能障害』と言います。
これまで、医学的、学術的な定義では、高次脳機能障害は、脳損傷に起因する認知(記憶・注意・行動・言語・感情など)の障害全般をさしていました。例えば、言語の障害である「失語症」や道具が上手く使えなくなる「失行症」、知的な働きや記憶などの働きが低下する「認知症」のほか、「記憶障害」「注意障害」「遂行機能障害」「社会的行動障害」などが含まれます。(上記ページより引用。下線は私)
くるみさんが出会った下川さんと言う慢性期(発症して時間がたった患者さん)は、麻痺が残ってしまっていた。
下川さんは、四十代の男性。
働き盛り。
経営の傾いた会社の跡取りとして、なんとか経営を立て直したところだった。
幸せな家庭、やさしい奥さんとこどもたち。
仕事は大変ながら、やりがいを感じていた。
脳出血で倒れた。
長時間におよぶ手術。
生き残ったのが奇跡と言われた。
生き残った下川さんには、障害が残った。
(つづく)
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