水曜の午前中は、昔からある谷九の鍼灸院に勉強させてもらいに行っている。
そこの先生に、暇があったら新聞などの切り抜きを綴じたファイルがあるから読むと良いよと勧められた。
言われるままに読むと、実際とても勉強になる。
(医療の常識は10年くらいでガラッと変わる、つまり進歩するものだが、東洋医学に関しては歴史が長いので、10年そこらじゃそんなに変わらない)
興味深いものがたくさんあったので、時々シェアしたいと思う。
男性のAさん(60)は脳卒中になり、手足がしびれ歩くたびに痛んだ。西洋医学では痛みを抑える治療法がなく、趣味で30年以上続けていた短距離走もすっかりあきらめていた。
それが知人の勧めで一年前から鍼(はり)による治療を埼玉医科大学附属病院(埼玉県毛呂山町)の東洋医学外来で受け始めた。
動画以外は鍼灸治療を専門としている。週に2回、手足や頭のツボに鍼を刺したところ、約3ヶ月経過したころから効果が表れ出した。
その後も週に一回治療を受け続けた結果、痛みは半分以下に減った。現在は100メートルを14秒で走ることができると言う。
治療にあたった同外来の鍼灸師である山口智主任によると、痛みが和らぐのは鍼治療で脳内にβ(ベータ)エンドルフィンと言う物質が作られるため。この物質は麻酔に用いるモルヒネに似た作用があり、痛みを和らげる。
鍼は鎮痛作用だけではなく、血流改善や自律神経の調整、体の免疫機能の改善など様々な効果がみられる。山口主任によると、頭痛の場合は9割の患者で何らかの効果がある。痛みを完全になくすことは難しいが、「十の痛みを五や三に下げる事は十分可能」(山口主任)。
埼玉医大を訪れる患者の症状で1番多い肩こりを始め、腰痛や顔面神経麻痺でも9割近くの患者で何らかの効果が認められるそうだ。ぎっくり腰は1回の治療で顕著に効果が現れることがままあると言う。
だが、どのような病気でもこんな効率の効果が期待できるわけではない。山口主任の調査では、効果が見られるのはおおむね患者四人に三人の割合だ。
(中略)
鍼灸治療は自由診療のため、施設によって治療代は異なる。鍼治療を専門としている北里研究所や埼玉医大は、1回の治療あたり3,000ー5,000円程度。東京都鍼灸師会に入会している施設では同4,000円ー5,000円程度。1回あたりの治療代が割安になる回数券を販売している施設もあると言う。
(日本経済新聞2003年9月20日土曜日)
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