高次脳機能障害を知っていますか?-7

「お母さんをこちらで保護しています」

 

警察からかかってきた電話。

 

私は特急に飛び乗って、北九州の小倉駅に向かいました。

 

母は童女のような笑顔でニコニコしていました。

 

母は病院を出た後、当時小倉駅前にあった伊勢丹デパートに行ったようです。

 

そこで先日ここに書いたリストの「地誌的障害」を起こし、目の前にある、みんなが乗っているエスカレーターにどうしても乗れなくなったのです。

 

エスカレーターに乗れば家に帰れると分かっているのに、どうしてもエスカレーターに乗れない

 

エレベーターもすぐそこにあったはずでしたが、それも認識できてなかった風でした。

 

 

駅の交番で母はおとなしく、ニコニコ笑って座っていました。

 

私の良く知っている人が、私が一度も見たことのない笑い方で笑っているんです。

 

分かりますか?

 

どれだけ怖かったか。

 

 

警察を出た後、お腹が空いた!と言う母を連れ、その交番の並びにあるカフェに入りました。

トイレに行くと言う母は、一瞬もとの母のようにも見えました。

妙に明るく、少し調子は狂っていましたが。

 

その晩は家に帰って寝ました。

けれどその晩母はおねしょをしたんです。

次の日、私は予定通り、母を大きな病院の神経内科(北九州市は政令指定都市ですが、神経内科は決して多くはありません)に連れて行きました。

 

(つづく)

 

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