昨晩は非常に有難い機会をいただきました。
チャンスをくれたのぶさん(話し方の学校の同期)と、のぶさんのお母さんで、目の学校桂川校の上坊先生に感謝します。
山田周生(しゅうせい)さんのことを、私は寡聞にして知りませんでした。
ただ、世界を股にかけ活躍する冒険家で、カメラマン、ライターだと聞いて、旅の話を聞きたいなと思いました。
バイオディーゼルアドベンチャーという、山田さんの活動についても、山田さんの経歴をネットで調べてふむふむ、すごいことを考えて、実行する人もいるもんだと、思って終わりでした。
【リアル超人】
25歳でサハラ砂漠をバイクで横断。
今の話じゃない。35年前の、まだGPSもネットもなかった時代、なんのバックもない一個人、単なる青二才(失礼な言い方で恐縮ですが)が経験もないのに、サハラ砂漠をバイクで横断して、
横断して、ホッとして帰国するんじゃなく、そのまま世界放浪の旅に出ちゃうという…
インドまで渡って、その当時のこと、北はソビエト連邦だから入れず、東に行こうとしてもミャンマーだとか、ベトナムだとかは共産主義圏で入れず、
仕方ないからインドから船で帰ろうとしたけど、中々乗れないまま、ぼーっと……6か月!!!!!!????
でもその経験で、「食って、眠るってことについては、昨日もできたし、明日もなんとかなるだろう」という考え方や、
外国で、言葉が通じなくても、資金が底をついてもなんとかする技術を磨き、いっぱしの冒険家に。
リアル超人やろ、それ!
ルフィやろ!?
経歴を読んで、「すごい」と思ったけど、実際の話はもうなんもかも、もう、すごい。
「砂漠ってねー、普通には走れないんですよー。パリ・ダカール ラリーに参加する選手ほどの人でも、普通に走ろうとしたらその車やバイクが砂に沈む。
車の参加者で一億、バイクで2000万とかかけて参加してるから、例え途中でリタイアするにしても、みんな愛車を持って帰りたいわけです。
でも、主催側は人は助けても乗り物は助けないという契約を参加者と結ぶんです。契約しなかったら、砂漠を歩いて、自力で帰るしかない」
「あるとき、砂漠でバイクが故障しちゃって、徒歩で帰るしかなくなったんです。自分一人なら三日で帰れるんだけど、そのときは25才のツレがいて、彼は参っちゃって、あの砂丘を超えたらコンビニがあるよ(笑)とか、騙し騙し徒歩で砂漠を歩いて抜けました。
皆さんが、砂漠を徒歩で抜けるとき役に立つ話をすると、足にマメを作らないよう気をつけて下さい。1時間歩いたら休憩を取って靴、靴下も脱いで下さい。歩けなくなったら終わりなんで」
こんなエピソードが、山ほど聞けるんです。
そもそもがサハラ砂漠だけで、30回も行ってる、今は世界を70周と行ってるけど、もう軽く超えてる、世界150カ国に行ってるけど、同じ国にもう40回行ってるとこもある。そんなリアル超人。
山田さんの冒険の始まりは中学生でした。
中学に入ったとき、新聞配達を始めて、一人暮らしのアパートを借りました。
理由は、ちょっと変わったことがしたい、くらいの軽い動機で。
中学生に生活費を賄うまでの力はなかったので、アパートの家賃くらいは自分で稼ごうと。
お父さんとお母さんは銀行員。
転勤がありました。
高校の時、両親は転勤で引っ越してったんですが、山田さんはすでに一人暮らししてたので独立。
もう中学から普通じゃない山田さんの風貌。
自分一人の力でどこまでやれるか、感じて、確かめたい
そんなシンプルな気持ちで旅に出て、そのままその旅先での出会いに導かれるまま、カメラを手にし、
世界の危険なレースにカメラマンとして帯同し、
自分もいつしか、パリダカに参戦し、
気づけば地球のことを考えるようになっていて、廃油を原料にディーゼルオイルを作って、そのオイルの実証性を確かめるために、
廃油をバイオディーゼルオイルに変える装置を自作!
車に積み込んで、再び世界一周!
バイオディーゼルアドベンチャーを開始。
そして3.11のその日、山田さんは偶然岩手にいた。
今は釜石市に本拠地を構え「環境循環型の生活」の実現に挑んでいる。
最高の冒険野郎!
この人は人生というアドベンチャーを心から楽しんで生きている!
そんな心を震わせる山田さんの話、もっと聞きたかった。
古代遺跡に興味を持った話、
インディアンと聖地巡礼した話、
砂漠の夜空、自分の視線より低い位置に見える星の話、
こんな最高にワクワクする生き方をしてる人がいるということが素晴らしい!
講演会といっても、ほんの20人そこらの小さな集まりでした。
最後に質問が出ました。
私と同年代くらいのお父さん。
「自分は会社でエコ関連の仕事をしています。法律で、どこの会社もエコに取り組まなくてはならないことになっています。
でもその計算式には、ズルする方法があって、会社は何も努力しなくても目標をクリアできるんです。
山田さんの話を聞いて、感銘は受けるのですが、普通の生活に戻ると、“じゃあ、何をしたら良いんだ?”とすごく虚しくなる。
何かしたい気持ちはあるけど、どうしたら良いのか…」
山田さんはその質問に一生懸命応えていたけど、お父さんは納得できなかったようでした。
帰り道、一緒にいたKさんとその話をしたら、Kさんが良いアイデアを話してくれました。
「それは、人に話せば良いんだよ!」
人に話せば良い。
こんな良い話を聞いた。
こんな素敵な人がいるよ。
そう、話したら良い。
人によっては「で、それがなに?」と返してくる人もいるでしょう。
その人の心には響かなかった、ただそれだけです。
その話が心に響く人がいる。
その人が山田さん、山田さんの活動、冒険、環境問題、バイオディーゼルオイル、廃油の再利用、3.11、復興支援、
どこに引っかかるか、分からないじゃないですか。
だから、話したら良い。
いろんな人に。
フックだらけの山田さんの、どこかに引っかからない人は、あんまりいない気がする。
聞いた人が、山田周生をググッたら、それで十分。
そうじゃない?
ほんま、そうです。
このイベントに誘ってくれたのぶさんが、私のことを「情報感度が良い」と褒めてくれました。
講演会に行く、ただその程度でも、実際に動けた私を、私は褒めたいと思いました。
そのお父さんも、情報を聞いて、娘を連れて、実際に講演会に参加している!
情報感度が良いじゃないですか。
そこでフットワーク軽く動けてるじゃないですか!
そもそも、それだけで良い。
さらに人に話せば、それがどんなわらしべ長者現象の元になるかなんて、分からないじゃないですか。
何もしなけりゃ、それまでかもしれませんが、凄いことじゃないと、動く意味がないわけじゃない。
今回、山田さんの話も素晴らしかったけど、自分が人の話を聞く意味、
こうしてブログを書く意味を改めて考えられました。
自己卑下はいらない。
評価もいらない。
自分が良いと思ったとおりに動けば良い。
行きたいところ、どこへでも行こう。
やりたいことは、何でもやろう。
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