あらかじめお詫び申し上げます。
舌ガン患者さん、喉頭癌患者さん、Mさん、Fさんのお心を逆なでしてしまったら申し訳ない。
まずMさんは、マスクをしておられました。
風邪でもお召しになられているかと、私は最初思ったのです。
Mさんが舌ガン患者で、舌をほとんど切除されているということに気づくまで。
また喉頭癌のFさんは、発声器官を切除されており、声帯ではなく、喉に付けられたシャントという器具を使って話をされます。
パッと見にはシャントはわかりません。
冬場でもあり、シャントは襟に隠れていました。
けれど一言発すれば、通常の人の声とは異質な割れた声、シャントを使った特殊な声で、ハッとさせられます。
それでも声帯なしで、通常の会話と同じスピードで話されるのです。声の大きさも十分にあります。滑舌も通常の声による発話のより幾分聞き取りにくいという程度で、しっかり伝わりました。
ただ、常に唾液などが流れ込むのではないかと思います。長く休みなく話し続けるのはかなり苦しそうです。
溺れながら会話する人のようと言えばイメージできるでしょうか?
MさんとFさんのお話は本当に興味深い話しだったですが、お二人は話すだけで、体力の何割かを削るようにして話されているのが分かります。
聞く側も聞き取る努力が少しは必要です。
お二人には、伝えるべきことがたくさんある。伝えたいという熱意もある。
それなのに届けるための、コミュニケーションのための武器が、ガンのため奪われてしまったのです。
それは生活のためのタツキの道を奪われることでもあります。
MさんもFさんも、一度はガンのために仕事を辞めたのだそうです。
Fさんは自営だったので会社をクビになったわけではありませんが、コミュニケーションができなくなったため仕事を続けられなくなりました。
Mさんは当時役員でしたが、退職を決意したのだそうです。
ワーカー&キャンサーで、4人のガン患者さんから伺ったことを書いてみたいと思います。
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