先日の「ワーカー&キャンサー」の最初の話題は、がん患者会のシンポジウムの打ち合わせでした。
その打ち合わせの中から、私はがん患者会が抱える難しさを感じました。
【患者に情報が行き届かない】
ガン患者会のメンバーは、高齢者が占める割合が高く、IT分野への進出が遅れているから。
NPOのように組織化されてる団体でも、ふるーい、最終更新日が2001年代のホームページがあるだけ、とか。
それでは現時点での活動実態がどうなってるか、分かりません。
そういうホームページの体裁に、参加を怖気付く人も一部にいるのでしょう。
【シャント発声】
喉頭癌でシャント発声をしているFさんの話。
喉頭癌で声帯を切除した人は、シャント発声か、食道発声かどちらかを選ぶそうです。
Fさんが言うにはシャント発声は、習得が従来の食道発声より格段に楽であり、長く、しっかりと声を出せるそうです。
また、シャントをつける手術は、わずか四日の入院でできるそうです。
食道発声は、習得に時間がかかるそうです。
【患者の間にあるもう一つの壁】
その晩の参加者は皆さんが、口を揃えておっしゃっていたことは、
患者の情報不足を補い、患者力をつけてもらうためにも、色んな患者会を積極的に併用して欲しいと言うことでした。
ひとりの患者さんが、患者会をいくつも掛け持ちすることで、患者会側にも新しい情報が得られるメリットがあるからです。
【働きながら、ガンと戦う時代】
「患者力」をつけるために、患者会はあるんだということも言われていました。
働きながら抗がん剤や放射線治療を受ける場合、月曜を治療日に振られてしまうと、その週一週間患者さんはフラフラなのだそうです。
それを知っていると、病院側に曜日の変更をお願いしてみようという気持ちが生まれます。
患者の先輩、後輩の繋がりは、思ってるより大切みたいです。
また、患者が集団になることで、社会的発言もできます。
抗がん剤や放射線治療は、できれば仕事後や休みの日に治療を受けたい。
今はまだ、そういう要望が叶えられる病院がほとんどありません。
そう言う指摘を患者たちが政治側にしていかないと、病院側も動きにくい。
個人ではなく団体、「患者会」として政治に発言することは有効なので、政治を動かすには、患者会同士の団結が重要になる、つまり患者会は大切なのです。
【ガン患者が患者会に求めるもの】
これは二つあります。
・自分と同じタイプのガンの人の話を聞きたい
・他の人(家族以外)に苦しいこの気持ちを聴いて、わかって欲しい
人は社会的動物です。
分かって欲しい、理解されたい
そんな根源的な欲求はすべての人が持っています。
けれど、忙しく働き、社会生活を送っている時は、その欲求はあまり自覚されないのかもしれないと思いました。
潜んでいるけど、多くの人は無自覚でいられる。
それがガンを発症し、自分と向かい合わざる得なくなったとき、
自分の立ち位置を言葉で再定義したいという、激しい欲求として表れてくるののかもしれません。
それは普段は推し隠されているだけで、人は誰しも岐路に立つと、その欲求を「思い出す」のではないかなと。
命がかかるほどの転機に差し掛かった人に、耳を傾けるのはすごく大切なことなのだと思いました。
うまくまとまりまったか分かりませんが、今回、ワーカー&キャンサーの会合に参加して、私が学んだことをツラツラ書いてみました。
(おわり)
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