昔の記事なので、今とは少し変わってきていると思うが、面白いところがあるので、ところどころ抜粋して紹介したい。
2008年3月30日(日)の朝日新聞から。
「がん補完医療」
国際学会が定めた利用方針
「補完代替医療をCAMと言い、日本のがん患者の2人に1人はCAMを利用していると言われる。
日本のがん患者は半数がCAMを利用しているのね。
今はどうなっているんだろう?
世界的にはどうなんだろう?
やっぱり信用できるデータが大切なので、お医者さんの学会のデータはないかな…。
こういうのが出てきた。
「がん補完代替医療ガイドライン」。
2008年に出た第1版。
このガイドラインは医者、薬剤師、看護師のためのガイドラインなのだが、なかなか面白い。厚生労働省が予算を出して研究させたものらしい。
推奨グレードというのがあって、A~Dの四段階で、Aが行うよう強く勧められる。Bが行うよう勧められる。Cが行うよう勧めるだけの根拠が明確でない。Dが行わないよう勧められる。
がぜん気になる。
このガイドライン、面白そうなので深い入りしてみたいと思う。
まず、概要のところから。
こうある。
「2001~2002年に実施した全国アンケート調査ではがん患者の45%がCAMを利用」
先ほどの記事では二人に一人ということだったので、それくらいが利用しているのだろう。
しかしここからが問題。
「…45%がCAMを利用し、その約9割が健康食品であった」
CAMといっても、ドクターや有資格者なんかじゃないんだぁ…。
ちょっとガッカリ。
ちゃんと引用してみよう。
2.CAMの利用実態
2001~2002年に実施した全国アンケート調査ではがん患者の45%がCAMを利用し、その約 9割が健康食品であった。ホスピス・緩和ケア病棟での健康食品利用者はさらに多く60%を超え ていた。これまでの調査からCAM利用者の特徴は、高学歴、高収入、女性、若年者、不安の強 い患者、有症状の患者とされている。
さらに次の3.医療者の認識というところも丸っと引用してみたい。
3.医療者の認識
医療者側としては健康食品を利用するがん患者にどのように対処すべきか悩み、あるいは無視 して関心を示さず放置していることも多い。未だに疼痛、不安、苦悩の緩和あるいはQOLの改善 に対するCAMの効果に関する現代(西洋)医学上の証拠はほとんどない。加えて本療法の中に は利益もあるがリスクをもたらすものもある。しかしCAM利用者の増加に伴い、次第に多くの 臨床医にとって避けて通れない問題となりつつある。全国751名の臨床腫瘍医のアンケート調査 結果では、82%ががんで使用される健康食品類には有効性はないと考え、また84%の臨床腫瘍医 が抗がん剤との相互作用を危惧していると答えている。
「82%ががんで使用される健康食品類には有効性はないと考え、また84%の臨床腫瘍医が抗がん剤との相互作用を危惧している」って、
健康食品、あかんのちゃうか…。
色んな健康食品あるけど…効果はない、と。
医者が効かないっていっているものに頼らざる得ないということは、患者さんの心はそれだけ苦しんでいるんだなということが分かる。
(つづく)
コメントを残す